ロマろぐ

オタクコレクターの人生後半戦記

アメコミ感想「ジャスティス・リーグ:神々の墓所」

ジャスティス・リーグ:神々の墓所 (ShoPro Books)
 

バットマン、私はどこにもいかない。何が来ようとも、月を修復する」(スーパーマン

 

おすすめ:★★★★☆

 今回は本国で連載時に映画のタイアップということでアクアマンがほぼ主役。別の銀河からやってきた宇宙水棲種族との地球を賭けた戦いと、前回負傷したバットマンが守っている総和体を狙うリージョン・オブ・ドゥームとの戦いが並行して進みます。

 まぁジャスティス・リーグのような大型チームアップだと毎回地球の危機でかなりの数の一般人が巻き添えになってしまうので、住んでる人も大変だな!と思います。前回もシネストロにしっちゃかめっちゃかやられてましたしね。大体すぐに元に戻るような救済はあることはあるのですが。

 冒頭フー・ラフス(ジョーカー化してしまった平行世界のバットマン)が思わせぶりに出てきますが、そばにいた本物のジョーカーがかなり気に食わない顔をしてるのが面白い。この2人が共闘したらめっちゃ楽しいだろうなぁ・・・!

 

 アメコミは分業制というのは日本でも結構知られていますが、1話の中で複数のアーティストが関わることもあります。日本に例えると、ジャンプに載ってるワンピースが6ページ目までは絵が尾田栄一郎だったのに、ページをめくると漫☆画太郎になってるくらいの変化がありますw。

 ただ、アメコミではこの絵柄の変化を作品に意図的に組み込み、お話の演出に落とし込んでいるところがすごいです。今回もバットマンとリージョンとの熱い戦いではブルーノ・レドンのスタンダードでくっきりとした力強いアートで盛り上げ、同時進行で進んでいる深海のポセイドンとアクアマン・ワンダーウーマンの会話ではフレイザーアービングの抽象的なアートで不安さを煽ります。

 日本の漫画に慣れているとびっくりしてしまいますが、心情・状況の変化を絵柄の変化で表現してしまう大胆さはアメコミ独特で楽しいですね。

 

 前巻開始数ページでやむなく月を破壊してしまったジャスティス・リーグ。スーパーマンがひとりで月を修復しようとする番外編が、ワールド・ファイネスト(スーパーマンバットマンの2強の愛称)の微妙な関係を描いていてニヤニヤできます。んもう、バッツったら素直じゃないんだからぁ~。

 

Totarityシリーズ